ハートレートセンサーの抵抗測定値


はじめに

 胸ベルト式ハートレートセンサーの心拍数検出不良は良くあるトラブルだと思います。

 原因は色々考えられますが、ベルトの位置を調整したり、汗でベルトのパッド部が濡れてくると正常に心拍数を測定出来る様になるのであれば、人体とセンサー間に原因を絞り込む事が出来ます。

 

 今回ハートレートセンサーのストラップを新調したついでに、新旧ストラップの抵抗値をはじめ諸々測定しましたので、その結果を紹介いたします。


ハートレートセンサー本体の測定結果

①~② 端子間電圧

 1.464V(電池電圧3.006V時)

  • 上記電圧は、テスターの入力抵抗10MΩにて測定。
  • テスターの入力抵抗をHi-Zにした場合、端子間電圧は約3Vでした。
    出力抵抗を上げる事で、肌の接触抵抗が変化しても過電流が流れない様に調整している事が考えられます。

ベルト(ストラップ)の測定結果

ホック~パッド間の抵抗値

 

新品(CAT EYE 160-3595)

 ① 224.3Ω

 ② 200.5Ω

 

劣化品(Giant ANT+&BLE 2IN1 HEART RATE BELT付属品)

 ① 1.2~1.6kΩ

 ② 650Ω~1.2kΩ

  • 新品時の抵抗値は不明
  • 劣化品の使用時間:500時間以上
  • 劣化品はパッドの位置による測定値のバラツキが大きい



補足

  • 私の場合は新品ベルトでも肌が乾燥している時は検出不良が発生します。家を出る前に水でベルトのパッドを濡らし(正常検出)、移動中に乾燥(検出不良)、運動負荷を上げ始めると正常に検出します。
  • 一般財団法人 九州電気保安協会様のHPより、皮膚の接触抵抗は乾燥:2~5kΩ、汗ばむ:800Ω程度との事なので、個人差はあると思いますが、パッド+肌の抵抗値は1kΩ以下である事が望ましいと考えられます。
  • ベルト劣化品の抵抗値は最初は50kΩ以上ありましたが、測定するために触っていたら抵抗値が下がりました。抵抗値が回復した原因は解りませんが、恐らく数十kΩ以上だった事が考えられます。
  • このタイプのハートレートセンサーは心臓付近に電気を流す方式なので電流値が高いと危険です(ボタン電池で危険な領域まで電流が高くなるとは思えませんが)。従って本来はメーカー純正ベルトを使用すべきと考えますが、急ぎだった為自己責任で他社のベルトを購入し使用しました。

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