HiS=High sensitivity
Lz=Low Z (Z=impedance)
高感度・低インピーダンスイヤホン対応スペシャルチューニングバージョンを示します。
HiS-Lzは、高感度・低インピーダンスイヤホンで気になるホワイトノイズの発生を徹底的に抑える事を目的にチューニングしたM-01スペシャルバージョンです。
以下簡単な解説となります。お時間のある時にでもご一読ください。
<ホワイトノイズとは>
シャーっと聞こえるノイズの事で、ヒスノイズとも言います。
周波数は、低周波~高周波まで一様に分布し、フィルター等で部分的な除去は不可能です。
単位は「V」または「dB」で音声信号と同じです。その為音声信号とノイズは合成された時点で区別が付かなくなり、そのまま増幅されてしまいます。
このノイズは、回路に電気が流れると必ず発生します。
アンプの回路には、音量の大小にかかわらず常時一定の電流値の部分と、音量により電流値が変化する部分が有り、常時一定の電流値の部分で発生したノイズは電源を入れた時点で一定量のノイズを発生します。音量により電流値が変化する部分で発生したノイズは、ノイズとして知覚出来ませんが汚れた音になります。
<ノイズが目立つ環境とは>
通常使用する音声信号レベルとノイズレベルの比が小さいと相対的にノイズが目立ちます。
HiS-Lzは、高感度イヤホンで使いやすい様に、ゲイン(信号増幅率)を低目の設定にしています(Lowポジションはむしろ音量が下がるマイナスゲイン)。
また、定格出力が誤植と思える程低い値である事にお気付きでしょうか。理由は以下になります。
<ピーク105dB時に必要なアンプの出力>
イヤホン感度105dB/mW:1mW
イヤホン感度115dB/mW:0.1mW
イヤホンの感度によって必要な出力が1桁シフトします。
統計上の数値では無く、自分の経験上の感覚を述べており申し訳けございませんが、
105dB:これ以上はちょっと無理な音量
95dB:たまにやる大音量、気持ち良い
85dB:日常的に音楽を聴く時の音量
平均音圧にすると10~20dB低い値になると思います。
個人差は絶対ある筈ですが、ピーク105dB位が必要な音量として一つの目安になると考えます。
HiS-Lzは高感度・ハイインピーダンスイヤホンで、実用的な音量域の性能に焦点をあてチューニングしました。
参考にデモ機(S/N:0004)改修前後のTHD+N実測グラフを掲載します。歪率が一番低い部分の出力が一桁シフトしている事が確認出来ます。
スペック詳細については、こちらをご覧ください。
<これはアンプなのか?>
意味ないんじゃない?。オーディオに詳しい方なら、疑問に思わなければならない案件です。
ゲインは狙った値なので良いとして、出力はもっと説明し易い仕様も試しました(16Ω時80mW)。
しかしM-01の回路で、高感度・ハイインピーダンスイヤホンをターゲットに検討した中で、この仕様が最も音質が良かったため、音質を最優先として仕様を決定しました。
ゲインゼロでも必要な電流を加算するバッファーアンプなるものも有るので、「アンプなのか?」の問いに、M-01 HiS-Lz も広義で言えばアンプと言えます。
音質傾向は、M-01の特徴である
に対して、野外で使用した時を考慮しほんの少し明るめに味付けしています(Originalと2台同時に比較しないと分からない程度の差です)。
この相乗効果をM-01 HiS-Lz は間違いなく体感出来ます。
デモ機を用意していますので、スペック無視の音質最優先チューニングのアンプの音を、是非体感してみてください。